高校野球で選手が使用する金属バットが反発性を抑えた新基準のものに変わります。
新基準バットとは
新基準バットとは旧バットよりもバットの太さが細く(最大径67mm未満→64mm未満)、打球部が厚い(3mm→4mm)ものです。重さに関しては、従来通り900g以上で変更はありません。木製バットに近いものとなります。
いつから変わるの?
2022年から2年間の移行期間を経て、2024年選抜高校野球大会から完全移行されました。
※ちなみに中学生の新基準バットの導入は現時点では見送っているとのことですが、2023年のジャイアンツカップ(全日本中学野球選手権)では、試験的に使用し大会が開催されました。そういったこともあり、近いうちには導入されるのではないかと思います。
なぜ変わったの?目的は?
高野連が変更を決めた主な目的は「投手をはじめとする選手の負傷事故防止」と「投手のけが防止」の2つだそうです。
投手からホームまでの距離は18.44mですが、投手は投げた勢いで前に出るので、投球後はさらに1mほど距離が縮まります。加えて、打球が投手に到達するまでわずか0.4秒しかないので、ピッチャーライナーなどは避けられず怪我につながることがあるのです。
2019年夏の甲子園で、とある高校の投手が顔面に打球を受けて骨折したことがきっかけになったと言われています。
また、投手の球数抑制と肘への負担を軽減することにもつながります。旧バットは芯が広く、飛距離が出やすいため、投手は変化球を多投しなければいけない状況で球数も増えていましたが、新基準となることで投手が以前に比べ有利になり、必然的に球数も抑えられてきます。
高校野球はどう変わっていくの?
圧倒的な打者有利な状況から、投打のバランスが取れた状態になります。
打者は今までなら外野手の頭上を越えていた打球が簡単に捕球されたり、ゴロで内野手の間を抜けて安打になっていた打球がただの内野ゴロになったりするケースが増えてきます。今までよりも芯でとらえなければいけない為、技術がより求められてきます。
戦術に関しては各校監督様々な考えがあるようです。
新基準バット導入のメリット
新基準バットは従来のものよりも低反発な為、バットの芯で捉えなければ今までよりも飛距離が落ちます。旧金属バットから木製バットへの対応は難しく、超高校級といわれた選手たちが過去にはプロ入り後、苦労した例は多数ありました。
新基準バットを導入することにより、今までよりも高いバッティング技術が求められるようになる為、打者の技術向上へとつながっていくと思われます。
新基準バットでの甲子園第1号は誰が打つの?
第96回センバツ高校野球大会2日目第1試合の第4打席で豊川高校(愛知)のモイセエフ ニキータ選手が放ちました。
モイセエフ ニキータ選手について
高校:豊川高校(愛知)
身長・体重:182cm・82kg
ロシア人の両親を持つ左のスラッガーです。
昨秋の東海大会では打率6割2分5厘をマーク、明治神宮大会の星稜戦では本塁打を放つなど高校球界屈指の打者で、肩の強さ、足の速さも魅力のプロ注目選手です。